Eishin Nose’s THE GATE in New York 2010 ライナーノーツ by 武石聡


自分の参加したCDにライナーノートを書くというのもちょっと不思議な感じがするけれど、

まあ、このプロジェクトの成り行きみたいな事を書いてみようと思います。

栄進君と音楽を始めたのはもうかれこれ3年ぐらいになるのかな?

ちょっとしたニューヨークの仕事によんでくれたのがきっかけで、

彼のCD、彼の友人のCDやライブなどいろいろよんでくれてます。

このCDでのライブもそういった仕事のひとつで、でもめちゃ高~いピアノ(2000万円)の置いてあるピアノ屋さんでのリサイタルコンサートだというのでせっかくだから録音しようという事になって、

僕がもうひどくベーシックな録音機材で録ったわけです。

で、あとで聴いてみるとなんかちょっと雰囲気いいねえってことになって。

本当は栄進君のピアノソロリサイタルのわけだったのに彼のいつも絶えないクリエイティブな精神でコンサートの後半はパーカッションとピアノのデュオという試みになったわけです。

このCDには入っていない前半のピアノソロを当日聴いていたとき、あー栄進君なんかすごく自由にやってるなぁって。ふだんはピアノトリオのフォーマットで演ってる曲がすごく生きて手足を伸ばしているって思いました。で、後半のデュオの時もいつもよりもっとオープンで、音楽を縛り付けずに栄進君の音楽が踊っているという感じになったのです。

あまり良い例えではないかもしれないけれど、コンポジション(作品)って作曲家の飼ってる小鳥みたいなもんで一生懸命手をかけて大事にして育ててかごの中にいれておく、ってイメージが僕にはあるんですね。でも一度その鳥をかごから出して放してあげると本当の自由の美しさが見えるんです。

“演奏をする”という行為は作品を“かごから出してあげる”という行為に等しい。

だから僕みたいな演奏家はいつもどうやったら他人のかごの小鳥を自由にできるかばっかり考えていて。

作曲家にしてみればいい迷惑ですし、演奏家にそれを許すことも勇気のいることですよね。

自由になった小鳥は自分の意思とは別に飛んじゃうわけですから。でもそうやって生まれる音には必ず命が入っているんですね。この日のライブにはその自由の美しさが現れたと思います。

栄進君がピアニスト、コンポーザーとして優れているということは、このCDを聴いていただければおわかりでしょう。

しかし彼の音楽家としての素晴らしさは“音楽を自由にさせてあげる力量”にある、と僕は思っています。

 

武石聡 11月2日コペンハーゲンにて。

 

 

EishinNOSE×SatoshiTAKEISHI

『THE GATE』

Live at Bechstein, New York

 

1 Burning Blue

2 When a Dinosaur’s pissed off

3 The Gate

4 Feeling of Gospel

5 Mangekyo

6 Whatever

 

EishinNOSE, Piano

SatoshiTAKEISHI, Percussion

 

All compositions by Eishin Nose.

Recorded in September 10th, 2010

by Satoshi Takeishi

Mixed in October 5th, 2010

by Katsuhiko Naito at Avatar Studio, New York City

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