シリア


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このところのニュース・・・シリアの騒乱の報道を聞くたび胸が痛みます。

 

もうかれこれ10年近く前に訪れたシリア、それは素敵なお国でした。

日本でも人気の「アレッポのオリーブ石鹸」のアレッポの街は本当に石鹸屋さんだらけで、山積みのオリーブ石鹸に圧倒されました。アレッポに来たからには石鹸を買わずに帰れるものかと思わずにいられません。とはいえ、まだまだ続く旅のお供に重たいオリーブ石鹸持ち歩くのもイヤだなあとも思いつつ、ずっしりごついオリーブ石鹸を数個購入。ちなみに多分オイルの質によってグレードが違うようで、お値段も何種類もあったのですが、もうどれがいくらなのかよくわかりません。数字までアラビア語でしたから。だいたい約1週間シリアにいた間、何の値段がどれくらいとか、本当の相場みたいなものは最後までよくわかりませんでした。いろんなところでぼられていたのかもしれないけれど、どちらにしても日本よりはチョー安い、トルコよりもうちょい安いくらいの感覚だったか。たとえだまされていたとしても自覚がなければ何も無かったのと同じで愉快に過ごせるものです。

パルミラ遺跡にピクニックに来ていたテンションの高い家族の車に乗せてもらってダマスカスまで帰ったのもいい思い出です。灼熱の荒野を8人家族でぎゅうぎゅう詰めのワゴン車に乗せられ、写真を撮ってくれだの生のナスを食べろだのアラーの神を信じているかだの言われても、隣で一番下の子は酔って吐いているし、窓を開けても熱風しか入ってこないし、私も友人も笑顔の裏で失神寸前でした。

    ・・あの家族もいま元気でいるだろうか。

独裁者として国民を弾圧しているアサド大統領もあの時はずいぶん国民的ヒーローみたいに見えました。現大統領の父・前アサド大統領ですが、街のいたるところにポスターやステッカー、なななんと文房具店には大統領ノートブックも発見!紙モノ好きの私はもちろん購入。アサド大統領のイケてるショットがたたみかけるように印刷された表紙には今みてもぐっときます。だいたい日本でノダ総理が表紙のノートなんかがもしもあっても売れるでしょうか。たとえ売れても小学生に鼻眼鏡かちょび髭を落書きされて終わりでしょう。 そんなんで当時はなんとなく何もわからず独裁者って人気モノなんだなーなどとのん気に思っていましたが、それが10年経ったらこんなことになってしまうなんて、まさに盛者必衰の理ということなのでしょう。。

二十歳もとっくに過ぎていたけれど多感なお年頃だった私は、その時はまだ遠いところに自分の求めている なにか があるような気がしていたのかもしれません。とにかく行ってみたいという気持ちだけで2ヶ月間トルコとシリアを旅したことで、本当に大切なものは自分の一番近くにあるっていうチルチルとミチルのお話の意味がようやく身に染みてわかったのでした。

それも大切なことだったけれど、同時にやっぱりあの旅で見て触れて感じた全ては私の中のどこかにあって なにか になってくれているのだと思います。

しばらく思い出す機会もなかったシリアのことをこんなニュースをきっかけに思い出すのは悲しいけれど、本当に素敵なシリアの人々の笑顔と、とびきり美味しかったフレッシュオレンジジュースの味に思いを馳せながら、一日も早くシリアに平和な日々が戻ってくることを願って止みません。