猫値急上昇


 一番好きな動物はと聞かれたら、やっぱり猫がすきと答えますね。物心ついた時から我が家では猫を飼っていました。それから四半世紀ずっと猫と共に生活してきたので、私にとって猫と一緒に暮らすのは当たり前のことになっていたのです。触りたいときにはいつでもそこに猫がいる暮らしでした。

だけど時は移り変わり猫の寿命は人間より短いさだめ。別れと共に私にとっても自立の時がやってきて暮らしの中から猫はいなくなりました。

なんだかんだいって人間それならそれなりの暮らしに順応できるものです。あなた無しでは生きられないわ なんてことめったにあるもんじゃないんだなって、またひとつ大人の階段を上ったのでしょうね。

なんですけれど、猫と暮らさなくなってからたまに、さびしいとか何とか感情的なこととは別として、ど~うしても猫に触りたい!!という衝動がやってくることがあるのです。猫を飼っているお友達の家に遊びに行って久しぶりに猫に触ると、普段どこかに潜んでいた猫に触りたい衝動が全開になり、思わずぐりぐり触ってしまいます。お互いどこまでもわがままになりあえる中での調和が私と猫との正しいコミュニケーションだと信じていますので、それはもう容赦なくぐりぐりいきます。それでどんなにいやがられようが、爪を立てられて傷を負おうが、私と猫との間には何も問題は無いのです。

とはいえ、飼い主は人間ですからね。相手によって多少人間的な配慮が必要と感じる時にはやや遠慮がちに触る場合もないわけではないですが。

だけどこのところしばらく猫を飼っている人の家に行く機会がなかなか訪れなくて、あーあ猫に触りたいなあ、、、という思いが折りにふれてわきあがる日々がありました。近所の野良猫は絶対触らせてくれないし、私の中の「猫値」はもう風前のともし火のごとく下がっていました。こうなってくると本屋で猫の写真集なんかを思わず見ちゃう。二次元の世界を通して妄想してでも「猫値」を上げようと求めるやや危ない段階に足を踏み入れそうになっているって感じでしたね。そんなことしても無駄だってわかっているんだけれど。

そんなこんなな私の猫値下降の危機を救うかのごとく、偶然にも最近ようやっと猫のいるお宅に行く機会が訪れたのでした!もうここぞとばかりにぐりっぐり触ってきましたね。もうこれだけ触ったら猫値満タンというほどに。しばらくは安心して生きてゆけそうです。

案の定、私の強すぎる愛の表現へのお返しは数箇所に及ぶ生傷・・・でもどんなに猫パンチされようが猫キックされようが、猫値が上がればそれでよいのです。

それが私と猫との間柄なのです。愛のかたちっていろいろあるものですから。